特定技能介護で“できること・できないこと”は?業務範囲をわかりやすく解説【2025年最新版】

特定技能介護

こんにちは、あおいです🌿
近年、介護の現場では特定技能の実習生として働く外国人スタッフが増え、戦力としてなくてはならない存在になってきていますよね。

一方、特定技能の実習生が増える中で「どこまで任せていいの?」「できない仕事もあるのかな?」と採用を悩む声も多く聞かれます。

制度の仕組みは少し複雑に見えますが、実は“できること・できないこと”のポイントさえ理解すれば、受け入れもスムーズ💡
この記事では、2025年の最新情報にもとづき、特定技能介護の業務範囲について整理してお伝えします。

特定技能介護とは?まずは制度の基本を簡単に紹介

特定技能介護とは

特定技能介護とは、日本国内の介護分野における深刻な人手不足を解消する目的で、介護についての一定の知識とスキルを持つ外国人スタッフを、現場の即戦力として受け入れる制度を指します。

ではこの特定技能介護について、まずは「どんな仕組みなのか」「他の制度と何が違うのか」を見ていきましょう👀

特定技能1号(介護分野)の特徴と資格要件

特定技能1号は、介護の仕事を幅広く担当できる外国人向けの在留資格です。
取得するには、介護の専門試験だけでなく、日本語試験にも合格する必要があります。

<主な資格要件・ポイント>

項目 内容
必要試験 介護技能評価試験/日本語試験(N4以上/JFT-Basic A2以上)または介護日本語評価試験
試験免除の例 技能実習2号を良好に修了している場合
特徴 身体介護を含む幅広いケアが可能
在留期間 通算5年(更新は1年または6か月ごと)

特定技能介護は「即戦力」であることが前提のため、基礎的な介護知識と日本語力を備えた人材が採用されます👆

技能実習・留学生アルバイトとの違い

「特定技能」と似た制度はいくつかありますが、目的と任せられる業務範囲がまったく異なるので注意。
特定技能介護は“働く力がある人材”として採用できる点が大きな特徴です。

<3つの制度の違いを一覧で比較>

在留資格 目的 任せられる業務 ポイント
技能実習 学ぶための制度 制限が多い 夜勤不可、できる業務が狭い
留学生アルバイト 学業が中心 補助的業務 時間制限あり、専門性は低め
特定技能(介護) 即戦力として働く 身体介護含む幅広い業務 夜勤OK、配置基準にも算定可能

上記は特定技能介護、技能実習、留学生アルバイトの3つの在留資格の制度を比べてみました。
特定技能介護は制度の中でも“即戦力”として扱える点が、他制度との大きな違いです。

特定技能介護で「業務範囲の理解」が重要な理由

特定技能介護は多くの仕事を任せられますが、医療行為など「絶対にできない業務」も中には存在します👆
これが曖昧なままだと、スタッフに負担がかかったり、思わぬ事故につながることも。
だからこそ、業務の線引きをきちんと理解しておくことで、現場の不安をぐっと減らすことができますよ。

  • 業務範囲の理解が必要な理由適切に業務を分担でき、ミスやトラブルを防げる
  • 本人のスキルに合わせた指導・教育がしやすい
  • 職員間で認識を統一でき、指示のばらつきを防止
  • 法令違反のリスクを下げ、安心して受け入れができる

“できること・できないこと”をしっかり理解することは、特定技能スタッフのためだけでなく、現場全体の安心にもつながります。

特定技能介護でできること|現場で任せられる主な業務

特定技能介護でできること

特定技能介護では、利用者さんの生活を支えるうえで欠かせない介護業務を幅広く任せることができます。
ここでは、実際の現場で一般的に担当している代表的な業務を、わかりやすく整理してご紹介します👀

身体介護(食事・入浴・排泄・移乗など)

特定技能介護では、日常生活の動作を支える“身体介護”をしっかり担当できます。
食事介助や入浴介助、排泄ケア、ベッドから車いすへの移乗など、利用者さんの生活に直結する大切なケアが業務の中心です🍚

  • 任せられる身体介護の例食事介助・見守り
  • 入浴・部分浴の介助
  • 排泄介助(トイレ誘導・おむつ交換)
  •  移乗介助(ベッド⇔車いす など)

利用者さんのペースに寄り添いながら、一緒に安全な生活を支える役割を担います。

生活支援(掃除・洗濯・環境整備など)

利用者さんが快適に過ごせるよう、生活まわりをサポートするのも特定技能介護の大切な仕事です。
清掃や洗濯、整理整頓、備品補充など、“暮らしの土台”を整える業務が含まれます🧹

<主な生活支援業務>

業務 内容の例
清掃 居室・共有スペースの清掃
洗濯 利用者さんの衣類やリネン類
整理整頓 生活スペースの安全確保
環境整備 室温・湿度・衛生管理の補助

身体介護と合わせて担当することも多く、チームケアの中で欠かせない役割です💡

記録・報告・レクリエーション業務

介護の仕事では、利用者さんの状態を「見て終わり」ではなく、きちんと記録し、共有することがとても重要です。

特定技能介護もこの記録業務を担当可能。
体調の変化や介助内容を丁寧に残すことで、チーム全体のケアの質を高めることにつながります。

  • 具体的な担当業務 介護記録(PC・タブレット入力を含む)
  •  状態変化の報告
  • レクリエーションの準備・参加

シンプルな入力作業から、利用者さんと一緒に楽しむレク支援まで、幅広く活躍できます。

認知症ケアや見守りなどの基本的ケア

認知症のある利用者さんへの声掛けや見守り、落ち着かない様子がある場合の環境調整など、日常的なケアも担当可能です。
専門的な判断を伴わない範囲であれば、認知症ケアにもしっかり関わることができます。

  • 担当できるケアの例声かけ・安心の提供
  • 徘徊防止・転倒予防の見守り
  • 生活リズムを整えるサポート
  • 気分転換の散歩・軽運動の付き添い

利用者さんに寄り添いながら、安心できる環境づくりを担う大切な役割です。

特定技能介護でできないこと|法律上NGの業務と注意点

特定技能介護できないこと

特定技能介護は幅広い業務を担当できますが、法律や安全面の理由から「できないこと」も明確に定められています✖
ここでは、特に勘違いされやすいNG業務をわかりやすく整理してご紹介します。

医療行為(注射・床ずれの治療や手当て・吸引など)

医療的な資格や判断が必要となる行為は、特定技能介護では一切行えません。
注射や点滴の管理、床ずれ(褥瘡)の治療や専門的な手当て、医療器具を使った吸引などは、わずかな手順ミスでも重大な事故につながるため、必ず看護師などの医療専門職が担当します。

また、こうした医療行為に似た作業も混乱を招きやすいので、現場で「どこからが医療行為なのか」を明確に共有しておくことが大切です。
特定技能スタッフには、必要な観察や報告といった“介護の範囲”でできる役割に集中してもらうと安心につながりますよね😉

  • 医療行為として認められない例注射・点滴の管理
  • 床ずれの治療や専門的な処置
  • 医療器具を使った吸引
  • 医療判断が必要な観察・処置

薬の管理・セットなど医療判断を伴う業務

薬に関わる作業は、一見簡単そうに見えても誤薬の危険が高く、医療判断を伴うため特定技能介護では担当できません。

薬をケースに仕分ける、数を数える、投薬量を調整するといった作業は、専門資格を持つ職員の役割とされています。
利用者さんの安全を守るためにも、薬に関する一連の業務は必ず医療職や管理者が行い、特定技能スタッフには“声かけ”や“服薬の見守り”などリスクの少ない範囲を任せることが基本です。

  • NGとなる薬関連業務 薬のセット・分包
  • 投薬量や服薬タイミングの判断
  • 薬の在庫管理・保管
  •  調剤にかかわる作業全般

訪問介護は“条件付きで従事可能”|ただし注意が必要

2025年の制度改正により、特定技能介護も訪問介護に従事できるようになりました🌿
ただし、誰でもすぐ働けるわけではなく、初任者研修の修了・1年以上の実務経験・受け入れ事業所の適合確認など、いくつもの条件を満たす必要があります。

利用者宅でのケアは環境がさまざまでリスクも高いため、同行訪問での練習や家族への事前説明など、丁寧な準備が欠かせません。
安全を守りながら安心して働ける体制づくりが重要なポイントです。

訪問介護で必要な条件初任者研修などの修了
実務経験1年以上
JICWELSの適合確認書
家族への事前説明・同行訪問
緊急時の連絡体制の整備

送迎車の運転・リーダー業務など責任が重い業務

送迎車の運転は、一見シンプルに見えても利用者さんの安全を守る重大な責任が伴うため、特定技能介護では担当できません。
運転中の事故リスクや道路状況の判断、日本語での応急対応など、ハードルが高い場面が多いからです。

また、シフト調整や職員指導といったリーダー業務も同様に、経験や高度な判断力が求められます。
特定技能スタッフが安心して働くためには、こうした“責任の大きいポジション”を任せず、無理のない範囲で業務をお願いすることが大切です。

  • 任せられない業務の例送迎車の運転
  • 新人教育・指導
  • シフト管理や割り振り
  • 緊急時の判断・クレーム対応

特定技能介護の外国人スタッフを安心して受け入れるためのポイント

外国人材受け入れ

特定技能介護のスタッフが気持ちよく働ける環境をつくるには、受け入れ側の体制づくりがとても大切です。
業務の伝え方やマニュアル整備、日本語のサポートなど、少しの工夫で現場の不安は大きく減らせます。

ここでは、受け入れに欠かせないポイントをわかりやすく整理して紹介します。

業務範囲を明確にしたマニュアル整備

特定技能スタッフが安心して働くためには、「できること・できないこと」をわかりやすくまとめたマニュアルが欠かせません。
業務の線引きが曖昧なままだと、本人が無理をしてしまったり、周りの職員との認識がズレてトラブルにつながることもあります。

文章だけの説明では伝わりにくい場合もあるため、イラストや写真、チェックリストなどを組み合わせると理解が深まり、教育担当者の負担も軽くなるのでおすすめ👆
日々の業務の中で迷いが出ないよう、誰が見てもわかりやすい“現場目線のマニュアル”を用意しておくことが大切です。

  • マニュアルに入れておくと安心な内容 任せられる業務の一覧
  •  医療行為などの「絶対NG」業務
  •  緊急時の連絡フロー
  • 日本語での指示例・よく使う言葉集

日本語レベルに合わせた指示・コミュニケーション方法

特定技能として働く外国人スタッフは、日本語試験に合格しており日常会話は問題ありません。
しかし、介護現場で使われる専門用語や独特の言い回しは、慣れるまで戸惑いやすい部分でもあります。

だからこそ、指示を出すときは“短く・ゆっくり・わかりやすく”が基本。
説明を短文にまとめたり、写真やメモを添えて伝えるだけでも理解度がぐっと上がります。

また、曖昧なまま進めてしまわないよう「ここまでで大丈夫?」と確認する時間をつくると、スタッフも安心して働ける環境につながります🧑‍🦰👩‍🦱

  • 伝わりやすいコミュニケーションの工夫短い文章で指示を出す
  • ジェスチャーや指差しを活用
  • 分かりにくい言葉を避ける
  • 「わかった?」と確認する時間をつくる

トラブルを防ぐために共有しておきたい注意点

特定技能スタッフと一緒に安心して働くためには、制度のルールや業務範囲を職員全員で共通認識として持っておくことが欠かせません。

誰か一人でも理解が曖昧だと、「つい任せてしまった」「できない業務をお願いしていた」などのトラブルが起こりやすくなります。

日々の申し送りで丁寧に情報を共有したり、困ったときにすぐ相談できる窓口を明確にしておくことで、現場の安心感は大きく高まります。
外国人スタッフ本人も“相談していい場所がある”ことで、より働きやすい環境になるはずですよ💡

<事前に共有しておくべきポイント>

内容 共有しておく理由
医療行為NGのルール 法令違反を防ぐため
薬の管理は不可 誤薬のリスク防止
訪問介護の制限 不適切な業務依頼を防ぐ
トラブル時の連絡先 迅速な対応ができる

 

介護福祉士取得までのキャリアステップを示す

特定技能介護の在留期間は最長5年と決まっているため、働き続けたいスタッフにとって「この先どうなるのか」は大きな不安の種になりますよね。

しかし、介護福祉士の資格を取得できれば、在留資格「介護」へ移行でき、長期的に日本で働く道が開けます。

だからこそ、施設側がキャリアの道筋を示してあげることはとても大切です。
学習環境のサポートや受験費用の補助など、少しの後押しが大きな励みとなり、スタッフの定着やケアの質の向上にもつながります。
将来が見えることで、本人のモチベーションもぐっと高まるはずです👌

  1. キャリアステップの一例 特定技能介護として現場経験を積む
  2. 3年以上の実務経験+研修で介護福祉士受験資格
  3. 合格後は在留資格「介護」へ移行し長期勤務が可能

長く働きたい人にとって、“未来が描けること”は大きな安心材料になります。

ところで、人手不足だけどまだ特定技能介護の外国人スタッフを受け入れたことがないという施設では、技能実習生やアルバイトの留学生と本当に違うの?と疑問を抱いている方もいるかと思います。

特定技能介護の外国人スタッフを派遣している医療介護ネットワークという会社では、TikTokYouTubeInstagramで現場の様子やインタビューなどたくさんの動画が公開されているので、特定技能介護のスタッフってどんな感じなんだろう?と気になる方はぜひチェックしてみてください(*^^*)

まとめ|特定技能介護の業務範囲を理解してスムーズな受け入れへ

特定技能介護のスタッフは、身体介護から生活支援、記録業務まで幅広く活躍できます。

一方で、医療行為や薬の管理など「できないこと」も明確に定められているため、どこまで可能なのかは雇用側・スタッフともにしっかり把握しておきましょう。

業務範囲を正しく理解し、施設全体で共有することで、安心して任せられる環境が整い、スタッフ自身も無理なく力を発揮できます。

受け入れ前にマニュアルを整え、日本語のサポートやキャリアの見通しを示すことが、長く働きたいと思える現場づくりの第一歩。
外国人スタッフと一緒に、より良いケアを届けるための準備を進めていきましょう🌿